コラム第7回〈子どもと環境のこと〉
《本ブログは店頭で配布しているピキニニ通信で掲載しているコラム及び今月のおススメと同内容です》
-店主コラム-
「音の響きが可愛いだけではなく未来を担う子どもたちに素敵な地球、自然環境を残してあげたいという想いを込めて。また、子どもたちはもちろん大人も子ども心を思い出して楽しくなるようなお店を目指して店名と致しました。」
この文章は当店のウェブサイトから抜粋したもので、店名の由来になります。
もし「子どもたちのためにも良い自然環境を保ちたいんです」と申し上げたなら、お父さん、お母さんの多くは、おそらく同意してくださるのではないでしょうか。子どもたちが大人になる過程で多くの事を学びますが「自然環境」に関わらず、様々な「環境」は子どもたちの成長においてとても重要な要素だと私は思っております。
子どもたちの成長に関係する「環境」には幅広い意味が含まれますが、「自然環境」以外にも例えば「生活環境」と言えば、地域、場所、住んでいる家、大気や水、食、生活インフラ等々が関係しますし、「教育環境」と言えば家庭、学校、文化施設、学習施設、スポーツ施設、先生や指導者、地域の文化伝統等々が関係すると思います。どれも私たちの豊かな生活や子どもたちの成長に欠かせないものであります。
少々話が飛びますが、先日娘が通うニセコ小学校の飯田校長先生が書かれている「二小だより」に興味深い内容の記述がありました。それは「スマホの長時間使用で2時間以上の勉強効果が消える」というものです。これは東北大学加齢医学研究所所長の川島隆太氏の講演によるもので、具体的な調査結果に基づくそうです。内容は以下の通りです。
・「スマホをほとんど使わない、全く勉強しない子」よりも「スマホを1日4時間以上使用していて自宅で2時間以上勉強している子」たちの方が成績は悪いという結果が出た。
これはどういうことかと追跡調査を行った結果、次の事が分かったそうです。
・スマホを1日1時間以上続けた子どもはどんどん成績が下がった。
・もともと成績が良かった子も、スマホを使い始めると成績が大きく下がった。
・スマホを元々1時間以上使用していて成績が悪かった子が、スマホ使用をやめる、もしくは1時間未満に抑えたら成績が向上した。
・スマホに限らず、タブレットによるインターネット使用時間と学力の関係を見ると使用時間を1時間未満にすると、成績への影響が少ない。
・例外として、LINEの場合、時間制限は意味をなさず、使ったら使った分だけ成績が下がる。どれだけ勉強しているか、寝ているかに関わらず、LINEを使うと使用時間が1時間未満であっても直接的に成績が下がる。
私はこの文章を読んだ時少々驚きでした。スマホの使用は子どもたちの成長に良い影響を及ぼさないと思っておりましたが、それは「勉強やそれ以外の有意義な時間がスマホに取られるから」とか、「スマホに過度の興味をもってしまうから」等と考えておりました。ですが、この研究結果によると脳に直接悪影響を及ぼすものであると言うことになります。同研究では、スマホを使った場合には大脳の「前頭前野」の血流が減少し、抑制がかかって働かない状態になるということもわかっているそうです。
このようなデジタル機器に対する「環境」も含めて、これら様々な「環境」は子どもたちが自ら整えることが出来ないものです。環境を整え、子どもたちに与えるのは私たち大人であり、大人が作っている社会であります。子どもへの影響を考えるとその中でも第一に考えられるのは家庭と私たち「親」であると思います。私も「親」の一人として子どもたちに完全に良い環境を与えているかを問われれば、自信を持って答えられませんが、「子は親の鏡」と言う言葉もある通り、子どもたちが善い行いをしない場合、子どもたちに何かを期待する場合、子どもたちを叱る場合、その前に親である自分が良い環境を与え、善い行いを見せているかを自分自身に問いかけた方が、良い結果に繋がるのではと考え、自分を見直し反省することがあります。
以前、サッカー少年団のコーチをしている知人からこのような話を聞いたことがあります。あるチームの選手が相手のディフェンスを抜き去りキーパーと1対1の局面になったそうです。あとはシュートを打つだけの場面です。その時なんと彼はシュートを打つ前にベンチを見たそうです(当然プレーは遅れます)。つまり、サッカーで最も重要且つシンプルな局面でベンチの指示が気になったのです(普段からコーチ又は周囲の大人から過度の指示やプレッシャーを受けていることが推測されます)。
これは大人が与える環境が子どもに影響を及ぼしている目に見える例ではないでしょうか。
Pikininiは「添加物(化学調味料等)を使用しない自然の味を気軽な形で」と言う「食」の面で少しでも良い「環境」を子どもたちにも、多くの皆さまにも提供し続けたいと考えております。
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