コラム第11回〈慣れのこと〉
《本ブログは店頭で配布しているピキニニ通信で掲載しているコラム及び今月のおススメと同内容です》
-店主コラム-
ピキニニのオープンは2015年10月ですので、ちょうど2年半が過ぎました。3度の冬を越し、3回目の夏シーズンに突入しております。
私はピキニニをオープンまで飲食業や接客業の経験が無かったため、他の経験を元に試行錯誤を繰り返しながらピキニニを運営してきました。ピキニニのような小さなお店でもお客さまにご購入頂き、「美味しい」と言って頂くまでには多くの過程を経なければなりません。まず第一に美味しいと思って頂ける食べ物を作る技術が必要になります。次にそれを販売するために販売する場所やお店のイメージを整えなければいけません。そして宣伝もしなければなりません。一度でも良いので食べていただく事を考えますが、さらにまた食べたい、また来たい、と思って頂けるようなお店であり続けなければなりませんので、様々な工夫が必要になります。これらの過程を一つ一つ整えて行くには、多くの時間と様々なアイデアが必要となり、そのため頭の中は24時間営業となります。サラリーマンの時は仕事の時間は当然大変なことも多かったのですが、休暇の日は休息の時間です。ピキニニを始めてからは仕事と休息の時間がハッキリとしていないので、最初のうちはいつも働いている気分でした。しかし現在はその生活にも大分「慣れ」て来たのかと思っております。全く同じ作業をするにも少ない労力、時間で済ませることが出来ますし、同じ作業を繰り返しても飽きることなく当然のことのように進められます。そうなることで新たな時間が確保出来て、量を増やすことが出来たり、新しい事にチャレンジ出来るようになります。
自転車に乗るのも、何かスポーツを習得するのも、仕事も、生活も「慣れ」と言うのは成長過程で重要なポイントのように思います。
一方で「慣れ」がマイナスに働くこともしばしばあります。仕事でも、何かの組織でも、慣れるまで頑張ったのは良いけれど、慣れの上に胡坐(あぐら)をかき、「慣れ合い」になると、我慢や厳しさを忘れ、自己中心的になったり、時代の流れに無頓着になったりすることがあると思います。そうなるとそれ以上の成長が見込めなくなりますので、何か変化が必要になるでしょう。
現在、ピキニニの仕事にも、ニセコの生活にも大分慣れましたので、私としては今後その「慣れ」に甘んずることなくさらに磨きを掛ける作業をしていきたいと思っておりますし、その作業は大変かも知れませんがそれを楽しめるほどの新たな「慣れ」を獲得出来たら良いなと思っています。
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